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「時効の援用」に関するお役立ち情報

長年請求書が来ていない借金は時効援用すべきか

  • 文責:弁護士 江口潤
  • 最終更新日:2026年3月17日

1 長年請求書が来ていないのはどういう状態か

借金の返済が遅れてすぐの頃は電話や郵便で督促がかなりの頻度で来ると思います。

しかし、一定期間が経過するとそうした督促がなくなることがあります。

例えば、引越しをしたことで督促書類が届かなくなったということもあるでしょうし、債権者が回収困難と判断して督促をやめたという可能性もあります。

結局のところ、債権者がどこまで強く回収しようとする意思があるかによって督促の継続度合いも変わってきますので、同じ借入先から同じ金額を借りていても請求書が来なくなる場合もあれば、年単位で届き続けることもあります。

2 時効援用すべきかどうかは慎重に検討する必要

長年請求書が来ていないものの、5年ないし10年の時効期間がすでに経過していると考えられる場合に、速やかに時効の援用手続を行うべきか否かは迷われる方が多いです。

まず、長年請求書が来ていなかったものの急に裁判所から書類が届いた、というケースがありますが、この場合は放置していたら債務名義がとられてしまい、給与差押え等のリスクがありますので速やかに時効の援用手続を行うべきです。

裁判所からではないものの、数年ぶりに借入先から請求書が届いたという場合も、おそらくその後定期的な請求が再開すると思いますので時効援用を進める方向で考えてもよいでしょう。

悩ましいのは、長年請求書が来ておらず特に直近で連絡があったわけでもないというケースです。

3 時効の援用が成立するかどうかは事前に判断できない

時効は最終取引日から5年ないし10年経過することで成立することになりますが、一括請求されていなければ一部しか時効にならないであるとか、そもそも最終取引日を正確に覚えているケースが少ないであるといった問題があります。

また、知らない間に実は裁判を起こされていたために時効が成立しなかったということも少なくありません。

そして、こうした時効援用ができない例に該当するか否かについては事前に判断することができません。

信用情報機関の情報を確認しても、裁判になっているかどうかについては記載されていないため、判断ができないのです。

仮に時効援用ができなかった場合、それを契機に督促が再開するおそれもありますし、もしもう少し待てば時効だったという場合に時効が成立しないよう裁判を起こしてくるという可能性もあり得ます。

ですので、長年請求書が来ていない状況下で時効の援用をすることにはややリスクがあります。

何らかの事情で信用情報機関から債務の履歴を抹消したいであるとか、債務が残っていることによる不利益があるのであれば時効の援用を進めていく方向で考えてもよいでしょう。

他方で、特に生活において不利益を被っていないということであれば、すぐに時効の援用をしなくてもよいケースもあるかもしれません。

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